はじめに
光ファイバーケーブルは、データを光の形で高速に伝送するためのメディアです。
LAN構築には他にもUTPケーブル等が用いられますが,ケーブルの強度,伝送距離・速度等で光ケーブルが優位とされています。
UTPと光ケーブルの違いは以下の記事でも触れていますので是非見てみて下さい。
光ケーブルの光を伝搬させる方法にはシングルモードとマルチモードの2種類が存在します。
モードによって伝送性能や価格に違いがありますので、光ファイバーを引くときはモードごとの特徴にも注意する必要があります。
この記事では,光ファイバーのシングルモードとマルチモードの違いと、正しい選び方について説明します。
光ケーブルの用語
光ケーブルは上画像の構造をしています。
クラッド(オレンジ)とコア(赤)の部分は石英ガラスを材料としており,
光がクラッドとコアの境界面で反射しながら伝搬していきます。(全反射を利用)
手巻き寿司の酢飯の部分をクラッド,具の部分がコアというわけです。
シングルモードは伝送距離・大容量が得意!
シングルモードとは、光が光ファイバーの中心部のみを通ります。
クラッド径は125μmですが、コア径は9~10μm程度と小さく、光の伝搬モードは1つしか存在しません。
単一の波長がコアを通過することで中心に集約する仕組みになっており、異なる光の干渉を受けたり、重複したりするリスクがないです。
シングルモードのメリット
・高い伝送品質
…極小のコア径を通る光は、屈折や反射による分散が比較的小さいからです。
・データの通信速度
…伝送損失が少ないので,一度に大量のデータを安定して伝送できます。
シングルモードのデメリット
・折り曲げに弱い
…コア径が細いからです。
・コストが高い
…純度の高い石英ガラスを使用しているためです。
マルチモードは安価で曲げに強い!
マルチモードとは、光の伝送経路が複数ある光ファイバーです。
外径は125μmで統一されていますが、コア径が50μmや62.5μmと大きく、多種類のデータを伝送できる仕組みになっています。
マルチモードは、内部構造によってさらにグレード・インデックス(GI)型と、ステップ・インデックス(SI)型の2タイプに分類されます。
今回はGIとSIについての説明は割愛します。
マルチモードのメリット
・折り曲げに強い
…あくまでシングルモードとの比較です。
そもそも繊細な材料ですので,プロによる扱いが必須です。
・コストが低い
…同様です。
マルチモードのデメリット
・モード間によって伝搬速度に違いが生じる
…複数の光の経路を持つためです。
シングルモードとマルチモードを比較してみた!
シングルモードとマルチモードの最大の違いは、伝送損失の大きさにあります。
通信性能はシングルモードのほうがうえですが、マルチモードは耐久性と経済性に優れていますので、用途に合わせて適切なモードを選択することをおススメします。
上記を踏まえたうえで,どちらを選択すればよいか悩んだときは弊社にお気軽に
ご相談ください!
設計から施工,コンサルまで対応できます!
上部のタブよりメールお待ちしております。
最後まで読んでいただき,ありがとうございました!
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